12/06/2008

オーストラリアのカフェ文化


みなさまこんにちは。
久々にワイン以外の話題です。
実は、10月末からワインエージェントの仕事以外に、アデレード空港内のワイン屋でも働き始めました。
この店は、南オーストラリア州のワインを専門に扱う専門店で、ワイン以外にも、チーズやディップ、オリーブ、ナッツ類などのワインとよく合う南オーストラリアのグルメやチョコレート、コーヒーなどを扱っています。
ということで、これからはワイン以外にも、グルメの話題もちょくちょく取り上げていきたいと思います。
みなさんは、コーヒーはお好きですか?
ディナーとワインの後のコーヒーはまた格別においしいものですよね。
実は、オーストラリアはコーヒー文化がものすごく浸透している国なのです。
米国のコーヒーチェーン、スターバックスがオーストラリアから撤退を余儀なくされた背景には、到底太刀打ちできない発展したコーヒー文化があったのです。
英国の文化を引き継ぐため、「モーニングティー」や「アフタヌーンティー」、「ティーブレイク」などという言葉をよく使うのですが、実際にはコーヒーのほうがよく飲まれています。
比較的何でも物価の高いこの国ですが、コーヒーは手頃な値段でかなり本格的なおいしいコーヒーがどのカフェでも楽しめます。
ものすごいド田舎のベーカリーカフェでさえも、かならず本格的なエスプレッソマシーンは用意されています。
そうそう、最近ではマクドナルドでも、本格的エスプレッソマシーンを導入したMc Cafeを併設するところが増えていて、オーストラリアでは、マクドナルドでさえも本格的エスプレッソが楽しめます。
当然、私の働いている空港のワイン屋にもエスプレッソマシーンはちゃんとあります。
そうです、バリスタ未経験のワインスペシャリストが、ただいまバリスタ業に片足を突っ込んでがんばっています。
オーストラリアでは、バリスタは専門学校で勉強するほど専門的な職業です。
カフェのバイトでも、専門学校の資格があるとかバリスタ経験がない限り、採用してもらえないのが普通で、OJT(採用後の実践訓練)などというシステムはない世界なのです。
しかししかし、私の店はOJTシステムを取り入れていて、バリスタ経験ゼロの私を雇ってくれました。
私以外のスタッフも、それぞれワインやグルメに秀でたものを持っている人ばかりで、採用時はみんなバリスタ未経験だったそうです。
ということで、今回は、にわかバリスタから見たオーストラリアのカフェ文化をご紹介します。
ここオーストラリアのカフェ文化の特徴は、コーヒーの名前ではないでしょうか。
まず、普通のブラックコーヒーは、こちらでは「ロングブラック」と呼びます。
熱湯に、ダブルショットのエスプレッソを注いだものです。
ちなみに、エスプレッソのことは、「ショートブラック」と呼びます。
もちろんエスプレッソでも通じますけどね。
「ラテ」はガラスの器でサーブされるカフェラテのこと。
シングルショットのエスプレッソに、きめ細かいシルキーでクリーミーな泡のホットミルクが注がれます。
ラテよりも泡がやや多めで、シルキーな泡の上にココアパウダーがかかっているのが、「カプチーノ」。
そうなんです、オーストラリアのカプチーノは、シナモンパウダーではなく、ココアパウダーがかかっているというのが鉄則です。
きめ細かなシルキーな泡とチョコレート(ココアパウダー)を、スプーンですくって食べてからコーヒーを飲む人、一気にかき混ぜてしまう人、チョコレートを残しつつコーヒーを飲む人、その人なりのスタイルが必ずあって、カプチーノを飲む際の作法は特にありません。
それから、ラテよりも泡が少ないのが、「フラットホワイト」と呼ばれています。
これは結構便利な呼び名ですよね。
スタバなどのカフェで、ラテの泡がないほうがよいなーと思ったとき、私はよく、「ミスト(泡)減らして作ってください。」などといちいち注文していました。
しかし、オーストラリアでは、きちんとした名称があるんです。
エスプレッソにちょっぴりのミルクとシルキーな泡を乗せたものは、「マッキアート」と呼びます。
小さなショットグラスのようなグラスでサーブされます。
エスプレッソにシルキーな泡のホットチョコレートを注いで、ココアパウダーをかけたものは「モカ」と呼びます。
確か、これは日本のスタバのメニューにもあったかな?
そのほかには、「ホットチョコレート」、スパイシーで甘い紅茶とシルキーな泡のミルクのコンビネーションがおいしい「チャイラテ」などがあります。
このあたりが、オーストラリアのカフェの定番メニューです。
さてさて、このように様々な名称がきちんと確立されたカフェ文化のなかで、最近の流行は、自分スタイルのオートクチュールコーヒーを作ってもらうことです。
たとえば、エスプレッソをシングルショットからダブルに変えてstrongストロング(濃いめ)にするというのは定番中の定番ですね。
逆にweakウィーク(薄め)の注文も出来ます。
さらに、トリプルショットを注文する人までいます。
空港関係者は、朝4時から働いている人も少なくなく、strongストロングの注文は、やはり朝が多いです。
また、短い休み時間にささっと飲みほしたい人は、ミルクの温度をぬるめにしてくれという注文や、長時間ゆっくりとコーヒーを楽しみたい人は超熱くしてくれという注文など、バリスタはそれぞれのお好みに応えていきます。
今年、アメリカを差し置いて「肥満大国No.1」に輝いたオーストラリアでは、「ファット(脂肪)」という言葉に敏感です。
アメリカもそうですが、「ローファット」、「ノンファット」、「ファットフリー」という文字が、数多くの商品の広告やパッケージに使われています。
ということで、コーヒーも、「ローファット」という意識が高いのか?、かなり多くの人がスキニーミルク(ローファットミルク)を注文します。
巷では、いまだにスキニージーンズがかなり主流ですし、スキニーラテやスキニーカプチーノなど、肥満大国の名とは反比例して、オーストラリアは、ただいまスキニーブームです!!
特にメニューに明記されているわけではないのですが、ホールミルク(普通のミルク)、スキニーミルク(ローファット)、ソイミルク(豆乳)のいずれかを選び、自分スタイルのコーヒーを注文していきます。
たまに、「スキニーホットチョコレート」を注文している人を見かけますが、ミルクをローファットに変えたところで、太る要因はチョコレート自体にあるってことを知っていますか?!とつっこみたくなります(笑)。
ちょうど、コーラにダイエットコーラがあるように、ホットチョコレートにも「スキニー」ホットチョコレートがあるんですよね。
確実に気休めだとは思いますが…。
その他には、ロングブラックに冷たいミルクを注いでくださいという注文の仕方もあります。
ちょうどブラックコーヒーにミルクを入れて飲む感覚ですね。
あ、ちなみに日本にある小さなカップのコーヒーミルクなるものは存在しません。
あれは、日本独特のコーヒー文化なのでしょうね。
ロングブラック、ショートブラック以外のコーヒーは、エスプレッソにミルクを注ぐため、カップの大半は、ミルクの割合がしめます。
まあ、カルシウム補給にはとてもよいですが、かなりミルキーな味で、私もたまにロングブラックwith コールドミルクの注文をします。
そうそう、基本中の基本ですが、コーヒー豆は注文が入ってから一回一回豆を挽きます。
引き立て豆のコーヒーは、格別のおいしさです。
円高を利用してオーストラリアに遊びに来ようと思っているみなさん、オーストラリアに来る前に、ぜひコーヒーの注文をマスターしてきてくださいね。
ちょっとカフェ通ぶれますよ(笑)?!

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